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黒毛和牛の秘密:最高品質の和牛が食卓に届くまでの工程

黒毛和牛は、日本が誇る高級肉の代表格であり、その霜降りの美しさと豊かな風味から、世界中で高い評価を得ています。黒毛和牛がその評価を受けるまで、農家や関係者が生産管理や飼育技術を研鑽してきました。本記事では、そんな黒毛和牛が食卓に届くまでどういった工程を踏んでいるのか、一般的な事例で紹介します。

1.黒毛和牛の出産

黒毛和牛の生産サイクルは、まず繁殖から始まります。牛の繁殖方法には自然交配と人工授精がありますが、黒毛和牛の場合、ほとんどが人工授精で繁殖しています。妊娠期間は約280日程度で、人間とほぼ同じです。一度出産すると、3カ月ほどお腹を休ませてから再び人工授精を行います。このサイクルにより、牛は1年に1頭ほどのペースで出産するのが理想です。

母牛はその生涯で何度も出産するので、健康で長生きできるように、栄養と健康管理には特に気を付けます。中には10回も出産するほど長生きする牛もいます。出産が近づくと、専用の出産用施設で母牛を見守り、無事に子牛が生まれるようサポートされます。

出生直後の子牛は、初乳を飲むことで免疫力を高めます。初乳については後日、別の記事で詳しく紹介します。

2.子牛の育成

出産後、子牛は哺乳期に入り、母乳や代用乳を与えられます。この期間は、免疫力を高め、健全な成長を促すために重要です。子牛はまだ体が小さく、温度調整や免疫機能が未熟なため、温度管理された清潔な環境で育てられ、ストレスを極力減らした生活環境が提供されます。

最初は母牛と同居させ、初乳や代用乳をメインに与えつつ、同時にスターターと呼ばれる固形飼料も少しずつ食べさせていきます。1カ月頃には乾草も与え、胃を丈夫にしていきます。子牛の時に丈夫な胃を作ることができると、肥育期間中に体重が増えやすく、病気になりにくい元気な牛に成長します。

約10カ月頃になると、子牛は300㎏ほどになり肥育期に入るので、餌の内容が変わったり、肥育農家に引き取られたりと、次の成長段階へと進みます。

3.黒毛和牛の肥育

子牛が一定の成長を遂げた後、肥育期に入ります。この肥育期は、大まかに前期、中期、後期の3つの段階に分けられ、それぞれの段階で異なる飼育方法が取られます。

肥育前期

肥育前期は、子牛が約10カ月齢で肥育農家に引き取られてから始まります。この時期は、胃と骨格の発達を促すために、栄養バランスの取れた飼料が与えられます。飼料には、良質な粗飼料(乾草など)を中心に、必要に応じてビタミンやミネラルのサプリメントも追加されます。

肥育中期

肥育中期は、牛が約18カ月齢に達した頃から始まります。この時期は、脂肪の蓄積と霜降りの形成を目指して、エネルギーが豊富な飼料に切り替えられます。逆に、草のような粗飼料の量は徐々に減らしていきます。主な飼料は、トウモロコシや大豆かすなどの濃厚飼料が中心となり、脂肪と筋肉のバランスを最適化するための配合が工夫されています。良質な霜降りを作るためにビタミンAの量を減らすため、ビタミンAの欠乏症などが出ないように注意する必要もあります。

肥育後期

肥育後期は、牛が約24カ月齢から出荷されるまで(大体30ヵ月齢)の期間です。この段階では、徐々に増体も落ち着いてきて、濃厚飼料の摂取量が減少することが多いです。牛の増体の様子を見ながら、最適な出荷のタイミングを判断します。

これらの各段階を経て、黒毛和牛は最高品質の肉質を持つ牛に成長します。肥育の各段階で適切な栄養と管理を行うことで、黒毛和牛の美味しさと価値が保証されるのです。

4.牛のと畜、解体

出荷された黒毛和牛は、と畜場(食肉センター)に運ばれ、衛生管理の厳しい環境下でと畜、解体されます。大まかな流れとしては、生体検査→と畜→解体→解体時検査→冷蔵保管という手順で進みます。

まず、生体検査が行われ、公務員が牛の健康状態を確認します。この検査により、と畜解体に適しているかどうかが判断されます。と畜後、牛は解体され、枝肉と内臓に分けられます。この解体時にも検査が行われ、公務員が肉や内臓が安全に食べられるかを公正に判断します。

解体された枝肉は冷蔵保管され、その後、市場取引や直接取引などされ出荷されます。内臓も適切に処理され、出荷されます。これらの厳しいプロセスを経ることで、消費者に安全で高品質な黒毛和牛が提供されるのです。

5.牛枝肉の分割

解体後の牛肉は、まだ骨や余分な脂がついた「枝肉」という状態です。枝肉は約500㎏の大きな塊なので、そのままでは精肉店やスーパーでの取り扱いが困難です。そのため、枝肉は脱骨され、部位ごとに分割されます。

各部位はそれぞれ異なる特徴を持ち、肉質や脂肪の付き方に応じて細かく分類されます。主な部位には、ロース、ヒレ、バラ、モモなどがあります。これらの部位ごとに塊肉にされ、真空パックされます。真空パックにより、鮮度が保たれ、流通過程での品質劣化を防ぎます。

6.牛塊肉の精肉加工

分割された塊肉は、精肉加工の段階へと進みます。枝肉から小さくなったとはいえ、塊肉は数㎏から10㎏を超えるサイズで、自宅のまな板では調理が難しい大きさです。また、塊肉には硬いスジや余分な脂肪、筋膜が多く残っています。ここで、これらの余分な部分を取り除き、焼肉や鍋など調理方法に応じた食べやすい形に整えられます。

精肉加工された肉は、その後、適切に包装され、消費者や小売店へ出荷されます。消費者に届くまでの間も、品質が保持されるよう厳重な温度管理が行われます。これにより、黒毛和牛の美味しさと鮮度が確保されます。

こうして、適切に加工された黒毛和牛は、最高の状態で消費者のもとへ届けられ、その優れた風味と食感を楽しむことができます。

7.まとめ

黒毛和牛の生産サイクルは、出産から育成、肥育、出荷、と畜解体、分割、精肉まで、一貫した品質管理と高度な飼育技術の結晶です。繁殖段階から始まり、母牛と子牛の健康を維持するための細やかなケア、肥育期における栄養管理、そしてと畜後の厳しい衛生管理と検査を経て、解体や精肉の技術により最高品質の肉が生まれます。

このプロセスを通じて生まれる黒毛和牛は、その希少性と美味しさから世界中で高い需要を誇ります。農家や関係者の努力により、持続可能な生産方法と品質向上が常にされており、黒毛和牛の未来はますます明るいものになると思っています。今後は世界に肉だけではなく、その食べ方や文化も広がっていくでしょう。

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