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お肉の知識

なぜ今、和牛が高いのか。牧場直営店が正直に話します。

スーパーや精肉店で「お肉が高くなった」と感じていませんか

近ごろ、和牛や国産牛を手に取るたびに「あれ、前より値段が上がったかな」と感じているお客様は少なくないと思います。これは気のせいではありません。実際に、国産牛の枝肉(屠畜後に半分に割った状態の肉)の卸売価格は、ここ1〜2年で大きく上昇しています。

この流れをお伝えしたいと思い、このコラムを書きました。「今なぜお肉がこの値段なのか」を知っていただくことで、日々の食卓でのお肉選びがすこし変わるかもしれません。


市場データから見る、直近の相場

市場のデータをもとに、現在の枝肉卸売価格を等級別に整理してみます。

  • 和牛去勢 A5(最高等級):約 2,720円 /kg(前年同期比 +8.4%)
  • 和牛去勢 A4:約 2,539円 /kg(前年同期比 +11.9%)
  • 交雑牛 B3:約 1,794円 /kg
  • 乳用牛 B2:約 1,347円 /kg

全等級で前年・前月を上回っており、特に A4 クラスの上昇率が目立ちます。この枝肉価格に、加工・輸送・販売のコストが乗って、みなさまの手元に届く値段が決まります。


理由① 子牛を産む牛(繁殖)の土台が細っている

大きな要因のひとつが「牛そのものの減少」です。農林水産省の「畜産統計」によると、肉用牛を飼う農家の戸数は減り続けており、平成29年(2017年)の約5万戸から、令和7年(2025年・各年2月1日現在)には約3万4,000戸まで減りました。前年からは約6.8%減と、減少のペースはむしろ速まっています(前年比は令和5年▲4.5%→6年▲5.4%→7年▲6.8%)。主に小規模な農家から減っているのが特徴です。

さらに最新の資料(令和8年5月)では、子牛を産む「繁殖雌牛」の頭数が令和6年に減少へ転じ、令和7年は61万頭となりました。子牛のもとになる牛が減れば、2〜3年後に育つ肉牛も減ります。肉牛は生まれてから出荷まで2〜3年。今の品薄は、数年来の積み重ねの結果なのです。


理由② エサ(飼料)代の高止まり

もうひとつが、牛のエサ代の負担です。日本の畜産は配合飼料の原料の多くを輸入に頼っています。農林水産省の資料によると、令和4年(2022年)のウクライナ情勢を機にとうもろこしの国際価格が一時1ブッシェル8ドルを超えるまで急騰し、その後は落ち着いて、令和8年(2026年)5月時点では4ドル台中盤まで下がっています。

ただし円安(1ドル約157円)が続いていることもあり、配合飼料の輸入原料価格はピーク時の50,000円/トン台から40,000円/トン台へやや下がったものの、2020年度の30,000円/トン台と比較して、依然として高い水準です。エサ代の負担は重く、1頭を育てるコストを押し上げ、農家の経営や牛肉価格にも影響しています。


つまり「欲しい人に対して、お肉が足りていない」

農家の減少とエサ代の高騰が重なり、「欲しい人の数に対して、お肉の量が足りていない」状態が続いています。需要と供給のバランスが崩れれば、価格が上がるのは市場の仕組みとして避けられません。これは特定のお店や業者の問題ではなく、産地から消費者まで全体に関わる構造的な変化なのです。


牧場直営店だからこそできること

「ではどうすればいいの?」と思われるかもしれません。玉家では、神戸ビーフや但馬牛を中心に、産地や生産者とのつながりを大切にした仕入れを行っています。市場の波がある中でも、信頼できるルートで良いお肉を見極めて仕入れることが、私たちの役割だと考えています。

また、神戸ビーフや但馬牛は、血統・飼育環境・格付けにおいて厳格な基準を満たしたものだけが認定されます。この品質の基準は相場の波に左右されません。むしろ、高値圏になると「どうせ選ぶなら本物を」とご来店いただくお客様も増えます。そのご期待にきちんと応えられるよう、玉家では目利きと仕入れのルートを大切にしています。


日常使いのお肉も、一緒に考えてみませんか

高値が続く中でも、毎日の食卓は続きます。A5 の高級和牛だけがお肉ではありません。交雑牛や豚肉、鶏肉など、用途に合わせた選び方をご提案するのも、精肉店の大切な仕事だと考えています。

「今日は何にしようかな」と迷ったとき、玉家のスタッフに気軽に声をかけてみてください。相場の話も、料理の話も、いつでもお付き合いします。

牧場直営店 玉家は、これからも正直な情報とともに、みなさまのお肉選びに寄り添っていきます。


参考にした資料

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