令和7年の牛肉輸出も過去最高に——金額は米国・数量は台湾がトップ
日本産牛肉の輸出が、記録的な伸びを続けています。2025年(令和7年)の牛肉輸出量は1万1,860トン(前年比17%増)、輸出額は約717億円(同13%増)と、いずれも過去最高を更新しました。前年に続く、2年連続の最高記録です。
目次
🐂 金額トップは米国、数量トップは台湾に
2025年は、輸出「額」と輸出「量」で首位の国が分かれました。輸出額では米国が約154億円(前年比15%増)で全体の約22%を占め、引き続きトップ。一方、輸出量では台湾が2,617トン(同25%増)と大きく伸び、米国(2,452トン)を上回って首位に立ちました。前年は量・額ともに米国が首位でしたが、量では台湾が逆転した形です。
また、前年に落ち込んでいた香港は、輸出量1,727トン(同18%増)・輸出額約85億円(同10%増)と、再び増加に転じました。
なぜこの順位に?——伸びを支える背景
順位の動きの裏には、それぞれの市場の事情があるとみられます。
海外で好まれているのは、ロースだけではありません。日本畜産物輸出促進協会の集計によると、輸出量に占めるロース系(リブロース・サーロイン・ヒレ)の割合は2018年の57%から2025年には43%まで低下し、代わってカタ・モモ系(26%→34%)やバラ系(10%→18%)の輸出が伸びています。焼肉やBBQ、食べ放題など、多様な楽しみ方が海外に根付いてきたことがうかがえます。
米国(金額トップ):近年の円安傾向が、輸出の追い風になっているとみられます。ステーキ店で「A5 Wagyu」として知られるようになったことに加え、ジェトロの報告では、ロサンゼルスなどの大都市で和牛の食べ放題に特化した新しい業態の飲食店が広がり、ロース以外の部位まで幅広く使われるようになってきたと紹介されています。
台湾(数量トップ):日本から地理的に近く、鮮度が求められる冷蔵品を届けやすいことが強みです。ロースからモモ・バラまで、ほぼ一頭分をまるごと受け入れる市場として定着しており、これが数量を押し上げているとみられます。実際、台湾向けはカタ・モモ系が輸出量の49%を占め、バラ系も26%と、ロース系(22%)だけに偏らない構成になっています。
香港(回復):香港は、日本産牛肉がアジアへ広がる玄関口のひとつです。前年は輸出が落ち込んでいましたが、2025年は数量・金額ともに再び増加に転じ、回復傾向がみられました。香港向けもカタ・モモ系が45%を占め、台湾と同様に幅広い部位が求められています。
輸出は、国内の和牛づくりにも意味を持ちます
輸出の広がりは、単に販路が増えるというだけではありません。日本畜産物輸出促進協会の資料で紹介されている神戸大学大学院農学研究科の調査研究(上田修司・八木浩平、令和6年3月)によると、2023年の牛肉輸出は、輸出がなかった場合に比べて、国内の枝肉卸売価格を1kgあたり339.9円押し上げる効果があったと推定されています。なかでもロース系の輸出は188.9円/kgの押し上げ効果があったとされ、生産量では約1万6,148トン、生産額では約1,051億円の増加効果があったとの試算です。海外からの需要が、国内の和牛づくりを下支えする一因になっているといえそうです。
和牛人気の広がりが、産地の追い風に
こうした海外での和牛人気の高まりは、神戸ビーフや但馬牛(たじまうし)をはじめとした兵庫のブランド牛にとっても、追い風となる話題です。世界で評価が高まるほど、産地としての誇りや品質へのこだわりも、より強く求められるようになります。
玉家でも、産地の魅力をお伝えしていきます
私たちは、神戸ビーフ・但馬牛の目利きとカット技術で、その魅力を店頭からお伝えしています。ロースだけでなく、モモやバラなど部位ごとの個性を楽しむ食べ方が世界に広がっているという話題は、日々の食卓でさまざまな部位をお届けする私たちにとっても、励みになるニュースです。世界に広がる和牛人気を励みに、これからも確かなお肉をお届けしてまいります。